内閣府の「障害者基本計画(第5次)案」のパブリックコメントに個人的に意見を出してみました

内閣府において、「障害者基本計画(第5次)案」のパブリックコメントが出ていますね。締め切りは1月31日23時59分まで。

https://www8.cao.go.jp/shougai/keikaku5th_iken.html

せっかくの機会なので、計画について読んでみて、ふと個人として思ってみたことを書き記し、内閣府に個人の意見としてお送りしてみました。繰り返しますが個人の意見です。どのように内閣府の方々に受け止めていただけるかはわかりませんが、こんな風に考えている一国民の思いを受け止めていただけると嬉しいなと思っております。

皆さんの声もお届けされてみては?

以下、私の送ったコメントです。
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(意見募集要領の記載と、インターネットへの回答フォーム)

意見募集要領では、「6.注意事項」において、意見は理由も含め 1,000 文字以内と記載されています。しかしながらインターネットでの回答フォームでは500文字を上限に機械的に設定されていました。これではASD傾向にある方々は混乱します。健常者においても、せっかくまとめた文章を500字に修正しなおすのは時間的なコストが発生します。国として本気で障害者を取り巻く社会的な包摂を実現する意思があるのかという国民との信頼関係に影響しますので、次から1,000文字か500文字かは統一していただきたく思います。

なお、今回初めて国に対するパブリックコメントに参加しましたが、手話の録画による意見提出が可能であることについては感銘を受けました。全国の自治体に広がればいいと思います。

(48ページ)
7.自立した生活の支援・意思決定支援の推進
(7)障害福祉を支える人材の育成・確保

 私は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構による「障害者職業生活相談員資格認定講習」の修了者で、その後、農林水産省の「農福連携技術支援者育成研修」を受講して農業版ジョブコーチとして活動するとともに、「ASIAGAP指導員」としても活動しております。農業サイドに立った「農福連携」の推進に向けて在野で活動している立場です。
 また、障害者雇用を行ってる立場として、「職場適応援助者(ジョブコーチ)」の研修も受講して活動を始めたいと思っているのですが、なかなか受講機会に恵まれません(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構における受講優先順位が上位にならないようで、選抜漏れが続いています)。

 その観点において、これらの資格が国家試験ではないことを認識したうえで、本項目に下記の記載をご検討願います。

 〇企業や事業所、農林水産業において障害者がその特性に応じた制約を乗り越え、能力を活かして付加価値の創造に貢献できるよう、企業等に所属・関与して障害者を支える社会福祉士や職場適応援助者・農福連携技術支援者などの育成を行うとともに、それら企業内福祉職の能力向上を図る。

(53ページ)
8.教育の振興
(4) 生涯を通じた多様な学習活動の充実

「障害の有無にかかわらず、全てのこどもたちの成長を地域全体で支える社会が実現できるよう、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進し、こどもたちの多様な学習・体験活動等を充実する。」とあります。

「普通校におけるコミュニティ・スクールと地域学校協働活動」と「特別支援学校におけるコミュニティ・スクールと地域学校協働活動」が相互に交流できるような仕組みづくりにご高配いただいたく思います。部活動の外部指導化などの動きを地域側で受け止められるような研究をしていますが、地縁組織側ではどうしても普通校に通う子どもたちのための活動に意識が向いています。地域に暮らすあらゆる子どもたちが、通う学校の属性にとらわれることなく、地域で楽しめるように施策の展開を図っていただければと思います。

(53ページ)
8.教育の振興
(4) 生涯を通じた多様な学習活動の充実

「障害の有無にかかわらず、全てのこどもたちの成長を地域全体で支える社会が実現できるよう、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進し、こどもたちの多様な学習・体験活動等を充実する。」とあります。

NPOの立場からは、「こどもたちの多様な学習・体験活動等を充実する。」という立場からは、地縁に基づく形態での学習・体験活動のみが振興の対象となると解釈される恐れを感じたことから、当該項目に加えて、例えば下記のような項目を追加してはどうかと考えます。

〇こどもたちの多様な学習・体験活動等を充実するため、障害者・児の学びのニーズの実現を目指すNPOや社会教育団体をはじめとした多様な主体の育成をめざす。あわせて、アウトドア用車イスをはじめとした、学習・体験活動のバリアフリーをさらに拡充する機器の開発・導入を支援する。

なお、上記の実現に当たっては、補助金適正法の適用や、公募による選定など、公平性・公益性の確保に十分にご留意いただきたい。

(57ページ)
9.雇用・就業、経済的自立の支援
(4) 障害特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保

農林水産省の「農福連携技術支援者育成研修」を受講して農業版ジョブコーチとして活動をしているが、せっかくの国による研修を受講したにもかかわらず、その実践を広げられずもどかしい思いをしています。

「農業に取り組む障害者就労施設や企業等に対する情報提供、6次産業化支援等を通じて、農業分野での障害者の就労支援を推進する。」とありますが、次のような表現をご検討をお願い申し上げます。

〇「農業を舞台とした障害者就労やリワーク支援を充実させるため、農福連携技術支援者の育成を行う。また
農業に取り組む障害者就労施設や企業等に対する情報提供、6次産業化支援等を通じて、農業分野での障害者の就労支援を推進する。あわせて、障害を有した方でも支援者と連携を取って農業経営が担えるよう、農業協同組合をはじめとした支援機関の理解をより一層促進させ、障害者とともに歩む農業経営を支援する包括的な環境整備を行う。」

加えまして、計画の文言修正までは必要ないことではありますが、計画の実効的な展開を期待するなかで、内閣府による働きかけで、次の2点が実現することを願っております。

①「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」において「高年齢者雇用アドバイザー」に準じた「農福連携アドバイザー」の制度を設けていただく。
②「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」の「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」における「障害者介助等助成金」や「職場適応援助者助成金」などの対象人材に、「分野が農業の場合は、農福連携技術支援者も対象とする」等の運用をしていただく。

(57ページ)
9.雇用・就業、経済的自立の支援
(4) 障害特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保

3項目目について、私が経営・関与している会社では、まさに「ICTを活用したテレワークの一層の普及・拡大を図り、適切な雇用管理を行った上で、時間や場所を有効活用できる柔軟な働き方」を試行しています。ただ、この試行をすればするほど、「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」や「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」におけるテレワーク施策であるがゆえの障害者の課題解決と活躍可能性が想定されていないように感じることがあります。新しい取り組みが各所で行われていると思いますので、それに伴う新たな課題への対応について、国のご支援ご高配を期待しております。

例えば、「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」においては、助成率は30%となっていますが、テレワークを行う社員が障害者の場合には50%になるの加算処置があるなどのご配慮をいただけるとありがたいです。

農福連携技術支援者 / ASIAGAP指導員 / 防災士 / 障害者職業生活相談員